一滴。

2009年10月31日
「一度手に入れた物でも、永遠に持ち続けられるとは限らないんだよ」と彼は笑った

淋しく笑った

若いころの己に嫉妬し

頭を振り

また立ちあがり歩きだす

「余力を残しちゃだめなんだ
倒れこんで
ゴールに倒れ込んで
そして息絶える」

よたよたと呟く


その人はひっそりと歩き続ける

群衆に紛れこみ

大きな大河の一滴と成って海を目指して行く



それぞれの川を流れて行く。

それぞれの海を目指して。


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