佐伯祐三。

2008年12月21日 TV
佐伯祐三。
佐伯祐三
彼の作品に初めて触れたのは高校生の時。
当時、一応美術部員だったオイラは、陶芸に明け暮れていて、絵画の部員とは一切かかわりを持たない浮いた存在だった。
それでも顧問の先生は陶芸の職人から美術教師に転身したかわった経歴を持っていたもんだから、変わり者のオイラには結構親しく接してくれた。
彼からは、一切陶芸についての指導を受けた覚えは無いが、それ以外の絵画や彫刻については、美術雑誌などをひも解きながら解説してもらった記憶が有る。
そんな話の中で、佐伯祐三と出会った。
多くの当時、洋画家を志す画家と同様に、彼も花の都パリに情熱のはけ口を見出した。
近代化が進む華やかな町並みから外れ、彼の画家としての眼は古い生活感の漂う下町に向かう。
オイラは、その荒々しいタッチの、どちらかと言うと暗い感じの画風に何とも言えぬ魅力を感じた。
個人の感性は人様々で、言葉で言い表すと陳腐な表現に成ってしまう。
ただ心の感性のヒダが彼の作品に引っかかってしまった。
その答えは、どこにあるのか?彼の作品に引かれたのどうしてだったのか、今日のNHK教育の【新日曜美術館】で見つけた様な気がした。
情熱の赴くままに駆け抜けた30年の短い生涯。
熱い魂の凝縮の様な彼の作品に、進むべき道を見出せなかった当時のオイラは憧れたのだと思った。

彼の作品をまとめて観る機会が来ることを望む。
今のオイラは、その作品群から何を感じるのだろう。

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