高校生活の最後の夏休みバイトで稼いだ金を持ってチャリで北海道に行った。

友人から借りた寝袋とわずかな着替えだけをチャリに縛り付けて 行き先など決めずに出発した。

風の吹くまま 気の向くまま 代り映えのしない雄大な景色にいささかうんざりしながら 日の出から日没まで走り続けた。

当時はまだローカル線の無人駅が点在しており そこがおもな宿となった。
たいがいは先客がおり いろんな情報を交換し合いいろんなことを話した。

この頃のオイラは 将来の事 取りあえず目の前に有る進路の事を決めかねていた。いや 卒業すら怪しい様な成績で 目の前に霧がかかりなんにも見えない様な状態だった。

旅の途中で出会う人は みんな自由で いろんなスタイルの人がいた。そしてみんな例外なく優しくて明るかった。
彼らと出会い そして自転車をこぐと言う単純な作業の繰り返しの中で自分と見つめ合い 答えなど出無いが何となく明かりの様な物を見つけ出したような気がした。

この年の夏休み 人生の大きな糧と成る日々だった。

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